2019年02月11日
甥っ子のお見舞いに行った帰り
橋のむこうに、日が沈む気配が、がっつりしていた
遠くに見える、きりんの奥が、海だ
海から川へ
流れが緩やかに、逆流している
まるで、自分のために、自分に向かって、川が押し寄せてくるようだ
今日も日が沈む
雲が、夕日に引っ張られていく
地平線の方へ
今日も日が沈むんだよ
本当に、すごいことだ
見上げたら、月が、ハーフムーンに近い小太りの三日月になっていた
この世界の美しさを、証明する
そんな文章力をつけたいなあ
どんなに書いても書ききれない美しさが、今ここにある
私は一人で、感極まってるんだけど
通りすがりのおじちゃんとかチャリの若者に、ほら、夕日が沈んでむちゃ綺麗ですよ!と、話しかける勇気はなく
心臓が、マンガのように飛び出て、なおかつ、どっきんこどっきんこ、と、頭の上に書いてあったら、この人は感動してるんだなということが、道行く人にもわかるのに
あー
文章力をつけたい話だった
眼下に、ゆったりとのぼってくる、海のような川、川のような海
刻々と、みたこともない色に変わる夕暮れ
橋の上の私
星が、ひとつふたつと増えていく
何も思い浮かばない
全ては完璧だ
私は、携帯を、思いっきりぼっちゃーんと投げ捨てたい衝動にかられた