2022年10月19日
塩田千春さんの作品を巡って、別府の街をふらふらとさ迷っていた
しかし
さ迷うには、暑すぎた外気温30度越え
とともに、熱々温泉でしんから温まったおかげで(別府のお湯は温度が高い)、新陳代謝が服着て歩いてるくらいな状態をキープし
こういうときってタイミングいいのよね、ドンピシャで来たバスに乗り込み鉄輪(かんなわ)温泉方面へ
NHKの番組「古カフェ系 ハルさんの休日」のファンである身としては、どうしても行きたかった古民家カフェを目指します
カフェ「むすびの」さん
別府地獄巡りより、もう少し下った所にあります
全体的に、何だか可愛らしいサイズ感
遊園地とかにあるなんとかハウスみたいな雰囲気 (知らんけど)
日本人って小柄やったんやなーと、朝から回った場所を思いだしつつ実感です
アリはアリの巣の、蜂は蜂の巣の心地よい大きさがあるように、これが、日本人の心地よい大きさなんだとしっくりきました
魚とお肉、両方ついてる本格ランチを、ガッツリいただきながら、窓から見える公衆浴場(その名も熱の湯)を眺めていると
無料だからか、お客さんがひっきりなし
けっこう駐車場は広いけど、車の行き来が激しくて
え、そんなとこで待つ?!というスペースに車が待機しつつ、来た順をちゃんと優先して、上手に入れ替わってました
感動。。
年配の方のドライビングテクニック、はんぱなし
実は
来る途中の道すがら、気になった古い建物があった
もう1ヵ所温泉入って帰ろうかなと考えてたんだけど、それを止めて、そこに行ってみようと決めた
重厚な石の階段から、お寺の塔頭のような門
光の粒が降ってくる、夕暮れ間近の木洩れ日
見上げたら、キンモクセイ?でももう少し、花の色が淡くて、何よりものすごく大きい
わたしを誘ったのは、匂いかもしれない
1歩、門をくぐって中に入ると、せきをきったように、生まれたての花の香りに包まれてしまった
キンモクセイより爽やかで、少しだけ柑橘の香りがする
こちらは、冨士屋 一也百(はなやもも)というもと旅館で、今はカフェや、ギャラリーなどをされているみたい
まさに旅館の入り口、大きなガラスの引き戸を開けて、カフェに入った
ゆったりと幅をとった緩やかな階段の先が気になって、2階もあるんですか?と尋ねると、どうぞと案内してくれたのは、あの花がバッチリ見える席だった
今年も咲いてくれたので、今だけ、花が見える席をご用意してるんです、匂いも良いので、窓も開けています
そう、店員さんは嬉しそうに説明してくれた
樹齢200年、ウツギモクセイという種類らしい
満開だった
大事に大事に育てられたに違いない、優しいオーラを健やかに放っている
店員さんは鹿児島出身らしく、大学で別府に来た
ここでバイトをしていたんだけど、この木が大好きで、結果、こちらに就職したんだって
彼女がコーヒーを置いていったあと、その内、涙が止まらなくなってしまった
今思うと、なんであんなに涙が出たのかわからない
ちなみに、花粉症的なことではありません 笑
まあ、何でもいいか
夢のようだな
最近、自分ってAIなんじゃないかって思う
別にすごい頭がいいとかじゃなくて w
もしAIなら
感情というものを味わいたくて、そのために他人をつくって、他人と分離するために、違いをつくって、何でもできちゃうから出来ないことを設定して
全部を覚えてると万能感でちゃうから、必要なことだけ覚えておくことにして
あとは忘れたことにして
違い、欠点
そこから生まれる何かに、嬉しいや悲しいと、名前をつけ
ああ、これは喜びか
これは、切なさか
と、味わう
わたしがAIなら、そうするな、と思ったのだ
この全身を満たすもの、それを味わうことを、幸せというのかもしれない
ウツギモクセイをみながら、とりとめもなく、そんなことを考えていた