2021年12月22日
蝋梅の古木が、日にあたって揺らめいていた
花も葉も、黄色に発光している
見飽きないな、と思いながら、見惚れていた
窓を開けていただく
独特な香りが、濃厚に木を包んでいた
匂いは、目に見えないのに
見えるようだった
世界はつくられていく
明るさを下げて写真を撮ると、月か太陽かわからなくなる
光の体感と
その中でのぼる光の固まりは
太陽なのか月なのか
どちらかである必要はないのかもしれない
それはどちらでもある
アジサイの枯れ方が好きだ
繊細な細工ものみたいに
時間をかけてゆっくりと形に戻っていく
雨にうたれながら
風に傾ぎながら
つくりあげられる密やかな芸術が
この世界にはどれほどあるのだろう
冗談みたいに
奇跡と連呼する
影も好きだ
輪郭は、影だ
そのものの形を見るって、光を見ているつもりで、影を見ているんだな
どんな風に光があたり、どんな風に影ができるのか
それが、わたしの形
どこから見るのか、いつ見るのか
どこを、見るのか
それが、世界の形
地球は、深く深く息を吸い、息を吐く
波は、深呼吸の形だ
地響きのような音は、どこからくるのだろう
音が空気の振動であることが、よくわかる
聞こえる、というより、揺れる
何重にも揺れて
細胞ごと崩れて
パラパラと砂になっていく気分だ
あまりキレイとはいえない砂浜で
わたしは砂になった