2019年07月12日

夜の中へ
星は見えない
砂漠のオアシスか、宇宙ステーションか、隣町のサーカスか
目線の先に見える明かりは、息をするように、ゆっくりと点滅している
あ、月だ
そのお腹に、何をはらんでいるのか
しっとりと黄色づく
ああ、美味しそうだ
つるりと食べたい
だいぶお腹すいてるな、これは
月の味までしてくるじゃないか
今日は友人を、大宰府へ案内した
変な天気だった
日は差しているのに、アメ細工のような線の細い雨が、ハラハラ降っている
橋の上を飛ぶ、トンボの群れを思い出した
今年はトンボがすごく多い
当たり年だ
ちょうど陽にあたって、無数の羽が、キラキラキラキラ輝いていた
そんな雨
今日は、色んな場所におわします祠の扉が開いており、中を見させて頂けた
沢山の神様にお会いできたみたいで、興味深い
拝殿にお参りし、そのあと光明禅寺へ
ここのお庭は、春の桜、秋の紅葉が人気
今はオフシーズンかな、と思いきや
こぼれんばかりの苔の庭になっていて驚いた
青々と繁った密度の濃い緑の木々の隙間から、葉の形をした影が、山波のような苔を、風が吹く度揺らしている
模様を施した白砂は、さながら山肌を抜ける、川か海のようだ
木漏れ日の音がする

もしかしたら、桜や紅葉より
この苔の庭が、一番かもしれない
何だか不思議な日だな
帰りは、スコンと晴れて
夏の湿り

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