思わず、パジャマのまま橋までチャリを走らせた
くわえた歯ブラシが少し恥ずかしいけど、夕日がきれい
オレンジの輝きが、限界まで熱した硝子のようだ
私は私の好きな形に、夕暮れを細工する
さっきみたフリーペーパーに、プリズム7色の中で青だけが乱反射されるから、空は青い、と書かれてあった
なぜ青なんだろう
今日も、青が終わっていく
あー
外で歯を磨くと、歯ブラシを小さく感じるなあ
私はjazzを習っていた
興味なかったが、何故か辿り着いたのがjazzの先生だった
月いちで通っていたけど、7月のレッスンで辞めた
もともと、自分で曲をつくり、自分でピアノを弾いてライブ活動をしていたのだが、
通い始めた頃は、歌を歌いたくなくて、でも、何かやってないと不安、という時期だった
jazzの良さは、いまいちわからなかった
でもきっと、だからこそ、歌を歌うことを思い出したのだと思う
どう歌っていいかわからないものをやることによって、どう歌ってもいい、ということを学んだ
その頃の私は、上手に歌わなければ、みんなに届けなければ、認めてもらいたい、個性をだしたい、そんなようなことでがんじがらめで
出来ない自分に苛立って
結局、見も知らない他人に自分と自分の歌を、全否定された
そして、そそくさと歌うことから逃げた
全否定した他人は、自分だったのかもしれない
色々抵抗したけど、最終的にそれを全部、まるごと受け入れていたから
私は、歌わなくなった
でも歌は、先生の側にも、私の側にもあった
生きていれば、素敵なことも楽しいことも自由なことも、反対に、えぐいこともカッコ悪いことも泥臭いことも、ある
それを全部ひっくるめて、全部が存在で、誰にも侵せない生き様だ
それが表現だ
いつも、歌える
それで気持ちいい
そんな風なことを、教えて貰った気がする
それがわかったから、私は辞めるのだろう
やっぱり先生は、かっこいいと思う
先生、ありがとう
jazz、歌わないかも、と言いましたが、多分歌います
楽しかった
楽しかったな