雨の夕暮れに、しっとりと花を閉じようとする様が美しかった
半ば蕾んでいるので、開ききったときより、きっと色が濃縮しており
滲んだ口紅のように、白なずむ曇り空をも美しく際立たせている
切なささえ感じる花の振る舞いに、いつもより長く立ち止まってしまった
ちなみに、人んちのお庭をのぞいてたので、ひじょうに怪しかったかもわからんけど 笑
美しいってほんと罪よね
雨が多い
最近は、予報に反した急な雨に見舞われることも多々ある
だから、アプリの雨雲レーダーを見るのを止めてしまった
自分で空を見たほうが早い
そして、雨雲レーダーにイラッとすることがなく、濡れることにあきらめもつきやすい
雨が降るたび、気温が上がったり下がったりして、本当にごくささやかに季節が変わっている
春が来たなと思うそばで、もうずっと春だった気もする
冬が終わってないすわりの悪さもあって、曖昧な感じだ
春の終わりも、夏の終わりもそんな体感だったな
季節の変化に置いて行かれてる、というより、季節が行方不明になってる
冬はどこにいったんだろう
わたしの住む地域は比較的温暖で、冬の行方を心配している間に、春がきた
いや、春みたいなものがきた
いや、春なんだろう
花は咲き、終わり、繋ぎ
虫は鳴くから
でも、冬に後ろ髪をひかれてしまう
街中の花壇は、時に季節を無視して花を植えられる
ポピーが咲いていた、と写真をインスタにアップしたら、友人が、じゃあ4月は何が咲くんだろうと言っていた
(ポピーは4月の花らしい)
先日、九州国立博物館へ長沢芦雪展をみに太宰府を訪れた際、天満宮の梅がそろそろかなと通りがかった
まだ五分咲きくらいかな?と思っていたら、どうも五分枯れた後だったようでびっくり
(もちろん木にもよるけど)
近所で目をつけていた梅の名所も、どれくらいで満開かなと楽しみにしていたら、実は終わっていたらしく、咲いてる花はそのまま散って、シンプルな枝になっていた
まあいいんだけど、なんか春がとんずら、いやいやもとい、家出でもしたみたいな気分に勝手になっている
花はしっかりと、見目麗しく咲いてるんだけどね
ところで長沢芦雪はとても良かった
日本画は、色や線が重たくなくて好きだ
日本画の材料って、顔料とか?ですかね、水彩や油絵の絵の具の質量とは全然違う感じがしてて
受け取る情報の重さ、インパクトの当たりが全然違う気がする
もちろん作家によるから、一概には言えませんが
例えば伊藤若冲の、あの穴を穿つように細密に描かれた動植綵絵
対象物をスケルトンにして、その存在の向こう側まで行ってしまうほど描きこんだ若冲のエネルギー
と
ゴッホの、自分の血液まで塗り込んだかのような生命力のアイリス
額からはみ出て空間にぶわっと広がる命の根底のエネルギー
比べると、明らかに油絵のゴッホの方がアタックが強い
あくまで個人の感想ですけどw
話はだいぶそれましたが、言いたかったのは、芦雪さんは全体的に軽やかで清々しかった、ということでした
アメブロの方に、詳しく感想を書いているので、良かったらのぞいてみてください⤴
https://ameblo.jp/uta-utae7712/entry-12842409375.html
今年の夏も、暑くなるらしいですね
と、その前に、花粉症の方はどうぞなるべく快適に日々を過ごせますように、お祈り申し上げます
地球の変化についていけず、今日も雨宿り