2023年02月18日

朗読ライブで、雲仙に行って参りました

雲仙といいつつ、島原もほど近く

帰りは、ガッツリ島原観光

↑の写真は、キリンレモンで上白石萌歌ちゃんが歌っていたロケ地、大三東(おおみさき)駅から見た景色です

海に一番近い駅と話題らしく、確かに0秒

ホームには黄色いハンカチがはためき、小さな小さな無人駅で、けっこうな観光客の皆さんが写真を撮ってました

1時間に一本しか走らない電車がたまたま入ってきて、シャッターを切る音がすごい 笑

わたしは3歳から長崎の大村、という所で育ちましたが

大村は湾なので、たいがい波は穏やか

日が昇ると、海面は大理石のようにつるつるピカピカに光って

特に、高速バスから見える海は、その確固たる光の道標が水平線まで豊かに続き

自分が、どんなに美しい場所で育ったかを思い知ります

水平線をみていると、これがわたしの景色だ、と思う

ここ、大三東駅の水平線も、そんな海の際でした

目に見えるものって、いつからか感情が紐づいている場合があります
たとえばわたしは、穏やかな水平線を、懐かしいと感じる
それって、よく考えたら目に見えないプレゼントだな、と思います
同じ水平線をみても、とくに何も感じない人もいれば、中には悲しくなる人もいるかもしれない
「懐かしい」と嬉しくなるのは、そんな想いを誰かに貰っているから
ああ、だから「星の王子さま」をやってみたいのか、そう腑に落ちました

去年末あたりから、何だか「星の王子さま」が気になって
台本を作って、ライブしたいと思うようになりました
朗読ライブはわりと長くさせて貰ってるけど、自ら台本を作りたいと思ったのは、「苦海浄土」に続き2本目
いつもは、一緒にやらせていただいてるメンバーにプロフェッショナルな方がいて、遠慮なくお任せ(というか丸投げw)しています
まあ、ボチボチなーんて思っていたけど、たまたまお友達の整体師さんに施術を受けたときに、
「体が、星の王子さまって言ってる」と言われ、心底驚いた
星の王子さまをやりたいと思ってることは、その整体師さんにはもちろん、ほとんど誰にも言ってなくて
まだ、思いつきの段階を出ていなかったから
そのお友達の整体師さんは、不思議な人で
気持ちよーく体をほぐしてくれて
そうすると、心も緩んで、体と心は正直になって、声を発するようになって、その声をキャッチしてるんじゃないかと勝手に想像している
ともかく、「星の王子さま」は、わたしにとって、とても大切なやりたいことだということを、その時理解した
すごく嬉しい出来事でした

まるであたり一面、梅ガムの匂い 笑
その話を、いつも台本作ってくれる方に話したら、なんで今、星の王子さまをやりたいの?と聞かれた
なんでやろ?

「星の王子さま」の中に、一匹のキツネが出てくる
キツネと王子さまは、時間をかけて友達になるんだけど
お互いが、特別な男の子と特別なキツネになった途端、世界が変わるのだ
キツネにとってただの景色だった小麦畑が、王子さまの金色の髪みたいに見えて、キツネはとっても大好きになる
わたしに、水平線が、とても懐かしくて美しく見えるのは、そういう想いを誰かに貰っているからだ
わたしがきれいだな、優しいな、嬉しいな、淋しいな、切ないな、などと思うとき
その豊かな感情は
今まで生きてきた中で、両親始め出会ってくれたたくさんの人たちから、たくさんのものを貰ったから生まれてくるものなのだ
それは、目に見えない形で
わたしの目に写っている
大人がサンタクロースからプレゼントを貰わないのは、今までたくさん貰ってきたからだと
いただいた絵本にも書いてあった
わたしたちは、知らない間に、たくさんのものを貰っている
目に見えるものの奥に、目に見えないものがどれだけあるのか
そう思うと、途方もなくて
だから(だから?)わたしは、星の王子さまをやりたいのだと思う

島原で最後に立ち寄ったのは、普賢岳の噴火の際、火砕流の熱波で被災した小学校だった
雨がパラパラと降り出し、帰ろうかと駐車場に入った途端、施設からフルブラスバンドの重厚な蛍の光が流れてきた
それからまもなく、まとまった雨になった
わたしはこれからどこへ行くのだろう
高速のトンネルを幾つも抜けながら、過去に戻って行ってる気がして不思議だった
過去でも未来でもどちらでもいい
わたしはひとまず、どこかへ向かっている
だから、その先へ行ってみるとするか
それは、SAの食堂の券売機の前で、うどんにするかそばにするかを決めるくらい、重要だけど大したことじゃないのだと思う