2022年10月11日

別府にて開催中、塩田千春さんの「巡る記憶」
(10月16日まで)
白に続きもう1つは、赤のインスタレーションです
こちらは、6年前に閉店した町の中華料理店で
当時使用されていた、お皿やテーブル、イス、鍋、などなどそのままに、赤い糸に巻きとられ、宙に浮いていた

かつて
お客さんで賑わい、活気のあった店内
それから
止まってしまった6年間
ここにある記憶はまだ生きていて、人のいた時間と人のいなくなった時間がマーブルになっている
廃墟ではない
まだ声が聞こえる場所だと思った
美味しいとか、また来ようねとか、昨日のTVの話題とか、そういうガヤガヤした感じが、宙吊りのポットと一緒に浮かんだ状態で、ピタリと縫い止められてるみたいだった
でもそれは、赤い世界の効果なのかもしれない
赤には、呼び覚まし蘇るエネルギーがある(気がする)

そう思うと、記憶って生き物だ
人の頭の中だけのものではないんだな
よみがえるし、うすまるし
感情もあったり、呼吸したり
迫ってくることもあれば、どんなに近づこうとしても遠く遥かで
ああ、でもそれも、私の頭の中の話なのか

せっかく別府に来たから温泉でもと、商店街を抜けたところで、道の突き当たりのお寺と目が合った
保育園が併設されていて、入ってよいものか少し考えたけど、まあ大丈夫だろうと本堂へ
そこには、おじいちゃんとおばあちゃんが3人いて、これから三回忌の法要だと言う
おじいちゃんが、掛け軸の説明をしてくれた
こちらは聖徳太子さんでね、親鸞上人は自分を聖徳太子の子孫だと言って、信仰してたんだって
よお知らんけど、と言っておじいちゃんは笑った
三回忌法要にあわや出席か?というところをお暇し、お寺を出たら、すぐ横にショップがあったので、塩田さんのパンフレットを購入
しかし、古い建物が多い
塩田さんの制作現場の映像や作品集をみれる場所が、ショップの三軒向こうくらいにあって、軒を連ねる家々は、ひっくるめて、築100年以上の長屋だったらしく
低い天井、太いはり、急な階段、コンパクトな広さ、引き戸と玄関の三和土など
何とも居心地の良い空気感
ちょっといくと、元遊郭エリアなんかもあるようで、建物探訪しながら散歩を楽しめる町だーと、お店の方とひとしきり座談した
でよ、温泉よ
なかなか辿り着けない  笑
近くの竹瓦温泉を教えていただき、その後無事にひとっ風呂浴びました

黒光りした床、たまらんね
でよ、お腹すいたよ!
美味しそうなお店は、たくさんあるんだけど
この辺で、鉄輪に移動することにした
バスで20分ちょっと
地獄巡りや、湯煙がそこかしこで上がる街並みが有名な、鉄輪温泉地区
そこで出会ったのは、樹齢200年、満開のウツギモクレンの古木だった
そんな引っ張る話でもないけど
③に続いてもいいかな?