夏至を過ぎました
一年で一番陽が長い、というだけあって
とんでもなく眩しかった夕暮れ時
ここしばらく
湿度が低くて、日射しは強いけど心地よい日が続いてました
九州は湿度が高い、ということを体感したのは、北海道に行ったとき
乾いた空気を、はっきりと感じました
湿度が高いと空気が重たくなるんだ
空気が濡れていると、景色の見えかたも違うだろう
雨が降る前の、なんともいえないまとわりつく感じとか
それは夏休みのような、汗ばんでジリジリした生ぬるい記憶と結びついていく
ずっと続く
セミの声とひときわ濃い陰
いつまでも明るくて
いつまでも遊べると思っていた
湿度は、思い出の密度もあげていく
日めくりカレンダーを、一枚ずつ破っていくような気分で
子供の頃に戻っていく
人生は、カレンダーみたいなものなんだな
何年か前の自分は
毎日が、ハムスターみたいに同じところをぐるぐる回ってるだけな気がして、たまらなかった
あまりに長いことそこにいたので
どうやって出たらいいかもわからない、というか、その日々に一生懸命になすがままだった
今は
同じように同じことの繰り返しの毎日だけど、その「同じ」さが、嬉しい
今日も朝がきて
日が暮れて
特になんにも出来なかったけど
少し湿度が高い空気に包まれて
隣りに住む人がうるさくていらっとしたり、1人でいることに不安になったりしながら
わたしは地球に生まれて、今日も生きていて、だいたい嬉しい
大まかにいえば、いい感じだ
幼なじみが亡くなったときに
しばらく、地面から浮いている気がしていた
自分がいかに無価値で役にたたないかを思い知らされて、心臓をつかまれたように、息がうまく出来なかった
でもそのうち
カレンダーをめくるように、彼女との記憶をめくっていき
楽しかったことを、思い出した
小さい彼女も大人の彼女も、一緒に、隣にいるかのようだった
それは、湿度が高い空気の中にいつもあって
そこにわたしも、いつもいる
もうすぐ彼女の誕生日がきて、命日がくる
おーい
今年は、年女だよー