2020年12月23日

風が吹いていた

まだお昼前だけど、低く斜めに光が差して
雲の切れ間の隙間は、とても些細で
コマ送りのように、日が差したり曇ったりを繰り返す
冬の光は淡くて好きだ
この木の葉の枯れた色は、こんな色をしていただろうか
記憶も淡くて、光景をもう思い出せない

今日、スタジオで作業をしていたら、ボスのカメラマンさんが、温野菜とコロッケをふるまってくれた
極太の初もの菜の花
シャキシャキのもやし
で、冬至だからと鮮やかなかぼちゃ
オススメの、たまねぎぼん酢でいただいた
すごく美味しくて、むしゃむしゃ食べながら
ああ、今日、今の私にはこれが足りなかったんだ、と思った
この人は優しい人だなあ、と
上司に向かってww、他人事のように考えていた
きっと、優しい人はバランスをとる
なぜか、そんな風に思った

きっとボス本人は、何の気なしに自分の食べたいものを買ってきて、出してくれたんだろうと思う
その何の気なしで、カチッと体のどっかがはまって
足りてなかった栄養素がとれたのか
その空気感で心が暖かくなったのか
そのどちらもか
私は、バランスが整った
そうやって、人は人と関わりあっていくんだなあ
私の母も、バランスをとる人だ
そういえば、兄弟もそうだな
バランスのとり方はそれぞれで、上手に空気をよむ人もいれば、変にぎこちなく気を遣って、逆効果だったりする時もあるだろう
意識的でも無意識でも
優しいなと思う
とても繊細で
それはまるで、冬の淡い光のようだ

日が沈んでいく