2018年09月08日

日が沈む度に、秋が近づく

秋を少し離れて眺めてる気分だったのに、気づけばすぐそこにいて

と思ったら、私は秋の中にいた

夏の名残はそこかしこにあるけれど、あの燃えるような暑さが、もうすでに、幻のようだ

思い出になっていく

思い出が増えていく

私は自分が、「懐かしい」で出来ていると思う事がある、と書いた

それは自分が、「思い出」で出来ていると思うからだ

私をつくるものは、「記憶」だ

過去のデータの取捨選択で、概ね、自分というものを作り出している

今朝、夢をみた

何の夢だったか忘れたけど、起きた時、自分は誰だ?とわからなくなった

自分って、誰なんだろう

しばらく空を、見てるような見てないような時間を過ごし、布団をたたみ

ようやく「自分みたいなもの」が帰ってきた

「自分みたいなもの」は、顔を洗って、お茶を入れて、着替えをして、仕事へ行く

「自分みたいなもの」は、一生懸命仕事をする

笑ったり、文句言ったり、お世辞を言ったり、怒られたり、助けられたり、よし!と思ったり

新しい人と挨拶をかわし、新しい場所へいく人を見送り

繰り返し繰り返し

自分って、誰なんだ

家に帰って、眠りにつく

そして、また目が覚めた時に、何回目の今日だろうと思う

今日を繰り返し

「自分みたいなもの」が、何回目かの今日を生活し始める

あれ

自分って、誰なんだ?

携帯が青く光って、ウルトラマンの胸のランプのように、警告を発した

もう時間だよ

私は、夢をみていた

どこからが夢で、どこからが現実なのか

でも考えてみれば、夢が現実で、現実が夢かもしれない

まるで、大好きな写真や絵に出会った時のようだ

向かい合って立っていると、作品に吸い込まれて、自分がどこにいるのかわからなくなる

自分の立ち位置も、存在も、消え失せる

完全に消えてしまう、その一歩手前が好きだ

行きつ戻りつする、その曖昧さの中に、自分が渇望するものが、潜んでいる気がしている

その世界が欲しい

それが自分

揺れる