2021年10月12日
久しぶりに早起きした
空の青が、ゆっくりと、でも一瞬で変わっていった
私たちを包む空には、目に見えない 浸透圧みたいなものがあって
滲むようにじわじわ青くなるところもあれば、さあっと均等に広がっていくところもある
空を見上げていると、光の層がわかる
その煌めきの粒が空だ
久しぶりに実家に帰った
隙間を見計らって、体勢を整えて
今のご時世だから
ちゃんと考えて帰省する、とか、ちゃんと考えて人に会う、とか必須だけど
ついつい忘れてテンションと思いつきで行動しそうになるのを、頑張って気をつけている
人間って大変だけど、それは人間らしさの一つだから、大事にしなければなと思う
でも、やっぱりすぐ忘れちゃうよね
変わらぬ両親の美味しいご飯
過剰な心配w
周りの景色はだいぶ変わったけど、実家からみる夕日は本当にきれいで
列車の通るごとごとという音の向こうに沈んでいく
変わってないものに触れると
全部忘れて、どこかの自分に戻っていく
朗読劇「銀河鉄道の夜」雲仙市愛野バージョン、無事終了いたしました
ご来場くださったお客さま、関係者の皆さま、楽しかったですね
ありがとうございました
こうやって場を作ってもらうことが、いかに有難いことか、直接届けられることが、受け取ってもらえることが、いかに一期一会か
噛みしめた夜
ライブの始まる数時間前
もともと来てくれる予定だった友人が、もう一人来れるようになったと連絡をくれた
そのもう一人の子とは、ほぼ30年ぶりで
連絡先はもちろん、近況もまったく知らず
そういえば、クラスもかぶっておらず、部活も違っていて
ライブが終わったあと、なんでわたしら友だちになったんだっけ?と話していた
共通の友人がいるにはいた
でも、ぴんとこない
最終的に彼女の口から出たのは、わたしの幼なじみの名前だった
幼なじみと彼女は、当時、すごく仲良しだったのだ
それだ、と思った
「銀河鉄道の夜」で、わたしはジョバンニという役をやった
ジョバンニはカムパネルラという大好きな友人と、銀河鉄道に乗って、天の川を旅する
それは、ジョバンニがみた夢で
カムパネルラは亡くなっていた、というお話し
わたしはこの本を読むにあたって、数年前に亡くなった、その幼なじみを思い出していた
彼女は病気だったんだけど、友人にはまったく知らせてなかったそうで
わたしも、彼女のお姉さんからお葬式の連絡をいただくまで何も知らず
だから、ジョバンニをやってるあいだ、彼女ともう一度遊べるみたいで、本当に嬉しかった
本当に
30年ぶりに今目の前にいる友人は、彼女が亡くなったことを知らなかった
わたしの代わりに伝えてね
そう言う彼女の声が、聞こえた気がした
人生は、伏線だらけだ
ライブの予約が1枚キャンセルになってたんだけど、わたしは、何となく主宰の方に言わなかった
結果、当日になって友人が滑り込んできてくれて、会場は彼女で満席になった
ライブの前、亡くなった幼なじみのお母さんからお手紙をいただいて
そこには、娘にしてあげられなかったことへの後悔が滲んでいた
「お母さんは僕を許してくださるだろうか」というカムパネルラのセリフがある
わたしは、そのセリフのことを書いて、お互い同じことを思ってるみたいですね、とお返事した
わたしは、一昨年、色々あってライブをやめるつもりだった
台本も、大方処分した
でも、そんな時、朗読を頼まれた
リモートでのやり取りだったこともあって、今までだったら断っていたと思う
なのに、環境が整っていた
父親が行方不明の、少年の役だった
そのあとに声をかけてもらった、オンライン朗読ライブの役は、両親を亡くした少年
そして、今、ジョバンニという少年をやっている
宇宙の片隅の、小さな奇跡
でも、私たちは、こんな小さな奇跡に囲まれてるのかもしれないと思う
どこから伏線だったのかも、わからない
伏線に気づかない時もあるだろう
まるで
気づくかな、気づかないかな
、なんつって、誰かがいたずらを仕掛けてるみたいだなw
、なんつって、誰かがいたずらを仕掛けてるみたいだなw
見えていようが、見えていまいが、きっとある
そして、たまにそのことにはっとする時があって
少し、幸せになる