2021年05月21日

梅雨ですね
雲の輪郭線をなぞって
雨の行方を追ってみる

雨の音に包まれる
わたしは、左耳で聞こうとするクセがあるようだ
ものすごい勢いで降っている中で
あ、音が乱れる
風が吹いたのだ
雨の音がうねる
うねって遠くなる
そしたら、静かになる
雨は降っている

雨のあと、木々は本気を出している
艶やかで
水を含むと、こうも開くのかと思う
開いているから、透明だ
透明なのに、鮮やかだ
真ん中の枝は、何かを求めて向かいの竹林へ伸びていってる
あの子はどこへ行くんだろう
わたしは?
あなたは?

生まれたとき、自分はどんな自分だっただろう
その、まんまるな自分が、面白いこと、楽しいこと、悲しいこと、思い通りにならない出来ごと、正しい答え、比べること、沢山の人、沢山の優しさ、うばったりうばわれたり、与えたり与えられたり、いろんな刺激を受けて、今の「わたし」になった
だとしたら、生まれたときの自分が本当の自分?
じゃあ、刺激の中で形を変えていった自分は、なんなんだろう

ほんとうの自分
ほんとうの自分の気持ち
探しても探さなくても、迷子になる
きっと、私たちは迷子になる
一番最初に伸びる、枝のように
そして、雨があがったら、透明に鮮やかになる
それを繰り返して
空へ