2018年10月19日
大巻伸嗣さんのもうひとつの展示
それは、AOSEから豆田を挟み、亀山町にある、元料理屋を丸々作品にしたもの
旧料理屋「盆地」
かつては、地元の方たちで賑わった場所
昭和の終わり頃閉業し、そのまま空き家になっていたそう
そこで、日田の成り立ちを描いた昔話をモチーフにした不思議な世界へと誘われる
まず暗い
すごく暗い
過去から記憶を辿るように、もしくは、過去に戻っていくように、暗闇を手探りで歩く
建物のもつ残像が、そこかしこに感じられる
幾つかの展示物の先に、「くろい家」と名付けられたスペースが待っていた
真っ黒の空間に、明かりが差し、煙を含んだシャボン玉が落ちてくる
微かに虹色に反射したシャボン玉は、光ながら、自らの影と重なり、地面の白砂や梁ではじける
はじける時の、ぱふ、という音だけが耳に残り
私は、命になる前のものを、命の始まりまで遡って見ている気分になる
揺らめくのは、シャボン玉に仕込まれた煙だけど、形になろうとしている、形を探している、その、何かが形になるとてつもない瞬間の予感をはらんで
たゆたう空間に、緊張感が沈んでいる
私たちは雫から生まれた
私たちは最初の1滴から生まれた
私たちは虹から生まれた
私たちは靄から形づくられていった
私たちはだから
靄に戻ることもできる
この形は、形であって形でない
会場を出たら、天気が変わっていた
あんなに日射しが強くて暑かったのに、日は陰り、風が吹いて
近所のお二階の風鈴が、激しく鳴った
いろんな仕掛けがあり、それを確認させて貰うために、もう一回入ったりして
すごく面白かった!
しかも、この2つの展示は無料でっせ!
どうぞ皆様、日田へ
11月25日までやってるそうです
もうすぐ紅葉も始まるし
個人的に大分は、銀杏の黄色がきれいだと思う
たくあんのように鮮やかに色づきますよ