2018年06月28日
田川市美術館のお庭
木が空を切り取ってるのか、空が木を切り取ってるのか
曇り色のグレーのグラデーションが、ものの輪郭を曖昧にする
大好きな本橋成一さんの、写真展「在り処」をみに行きました
初田川です
本橋さんの写真との出会いは、学生のとき
寮の近くの古本屋に貼ってあった、一枚のポスターだった
座っている外国のおじいさんの白黒写真
とても印象的で、とても好きだと思った
本橋さんの人物写真は、距離感が優しいと感じる
なんていったらいいのか
写そう、とか、撮ってあげたい、とか、記録に残したい、とか、エゴをあまり感じない
でも、メッセージ性は強く
福岡筑豊の炭鉱
サーカス団
昭和の上野駅
大阪の屠場
チェルノブイリ周辺で暮らす人
etc.etc.…
私は写真をみてるのに、最終的に、映画を何本かみたみたいな気分になった
ドキュメンタリー映画もとる方だからか、カット割されたような、美しい切り取り方で
過酷といえば過酷な環境で暮らす人々の、喜びや悲しみや、もろもろの営みが、にじみ出て動き出す
私たちは、生と死の境目にいて、それは表と裏で隣り合い、生きることのそばに死があることを知っていて、だからこそ、人としての尊厳をその目に宿し、しわくちゃになって笑い、呆然と泣く
淡々と
ああ、生きてるんだな、と思った
私は震える胸の鼓動を整え、取り敢えずご飯、と思い、直方に移動した
続く…