月がわり写真展と題しまして、毎月トップの3枚の写真にテーマを添えてお届けしております(^^)
6月はお休みをさせていただきました(すっかり忘れていただけですが)
7月のテーマは、「記憶のつくり方」
こちらのテーマは、わたしが一番最初にフォトブックを作った時のタイトルです
どうぞ心の空きスペースに
「記憶のつくり方」
わたしの街には、古いアーケードがある
子どもの頃は、とにかく賑わっていて
たまのお出かけが、とても嬉しかった
ご飯やさんでお昼を食べ、お洋服を見に行き
当時は珍しかったエスカレータに乗るのが、楽しみの1つだった
余裕のある時は、おもちゃ屋さんに寄っておもちゃを買ってもらった
少し大きくなったら、映画館に映画を観に行った
田舎で、回ってくるのは遅かったけど、その代わり3本立てになっていたりして、映画は一気に3本くらい観るもんだと思っていた
夏はかき氷、早帰りのときはおにぎり屋さんでおにぎり定食を食べた
チャリを引きながら、友達と本屋に寄って雑誌を買った
アーケードに来れば、全部あった
でも今は、近所のおじいちゃんおばあちゃんが散歩がてらたまに歩いているくらいで
どこに何があったかも、ぼんやりとして思い出せない
記憶は、わたしだ
現在から見る過去と、続くはずの未来
そういう意味では、今のわたしそのものが記憶なんだと思う
すっかり錆びたシャッターをチラリとみる、そのコンマ何秒のわたしの視線
その視線を、眺めている
記憶をつくっていく
時間は巡るものでも、流れるものでもない
未来は今からわたしが決めるもの
過去は今からわたしがつくるもの
わたしの体は今に在るけど、わたしの呼吸や言葉や、想いや書いたものや発したものや、全部がわたしで
過去には、そんなわたしの欠片が散らばっていて、それを組み立てて記憶をつくっていく
心も、今に在る
心と体で、過去を持って、未来を決める
だから、全部が今なのだ
そして、全部が未来であり過去なのだ
わたしのつくる過去は、とても温かく懐かしい
切なく、悔しくて、いい加減で一生懸命で
ごめんねとありがとうが、沢山落ちている
臆病で大胆で
人を大事にし、人を蔑ろにした
忘れて、忘れられた
一人だったし、いっぱいだった
間違えても、正しくても、どちらでも人を救ったし、人を傷つけた
雨が降り、風が吹いた
光は満ち、月は欠け
星は瞬き、体は老いていく
わたしは記憶をつくる
わたしを薄めながら
意味を問わず
問いかける