2020年10月14日
風の音を聞くのが好きだ
中でも、風が木々を揺らす音を聞くのが好き
当たり前だけど
木の種類、高さ、葉っぱの大きさ、量、角度などによって、風が渡るときの音が全く違う
例えば
竹はしなるので、不思議なリズムになる
笹の葉の擦れる音と竹同士のあたる音が、不規則に奏でられると、音楽になる
近所の筥崎宮さんには、背の高い楠の木が沢山あって、サワサワサワサワと柔らかい音がする
背が高いから、音をたどることによって、風の通り道を感じることができるし
葉っぱが軽いから、風の早さもわかる
智積院では、鮮やかな色の苔のじゅうたんが、夕方近い穏やかな風に、ふんわりしていた
宮崎駿さんのアニメで、ポニョの姉妹たちが、プクプク泡のようなおしゃべりをしているシーンがあったけど
苔たちがあんな感じに見えて、思わずニコニコしてしまう
時間があったので、こちらのお寺に、長谷川等伯の国宝の障壁画をみにきた
さすが国宝だけに、きちんと温度管理された別館に展示されてあり
桃山時代ってどんだけー、と思いながら、そのダイナミックな筆致を堪能することが出来た
でも、個人的には、講堂の襖絵の方が印象的だった
田渕俊夫さんという方の水墨画で、春の「枝垂れ桜」、夏の「めだけ」が公開されていて
日本の春夏秋冬がテーマというから、秋と冬もあるのかな?
真新しい畳の匂いがする部屋の襖に、墨の濃淡で描かれた桜、そして竹
とても明るくて白々した部屋なのに、霞の向こうの色を見るような
蜃気楼とも違う、もう少し奥ゆかしい揺れを感じた
あの等伯の障壁画は、どんな空間に演出されてたのかな
タイムマシンがあったら、当時の、あるべき場所のあるべき姿を見てみたい、と思った
講堂には、名勝庭園があり、利休好みと伝えられているらしい
自然をきゅっとコンパクトに愛でることができる庭園は、こちらの部屋からみると、一枚の大きな絵のようでもあり、実際の山とか川とか滝とかとは違う独自の美しさがあって
凄いシステムだなと感じ入ってしまう
遠くに、白い綿毛が飛んでいた
こんなところに?と思って、ふとうつむくと、いつの間にかその綿毛が胸元に付いていた
幸運の印なんだって笑
そういえば、受付で疫病退散のお守りをいただいたな
今こんな状況なので、こちらの不動尊に因んで、お授けされてるらしい
ラッキー、ラッキー
それにしても、良い風が吹くなあ