2020年09月27日
目が覚めたとき、空気がキレイだなと思った
まだ窓も開けてないのに
きっと、夜中に雨が降っていたからだ
窓を開けた
風が強い
小学生のとき、パレットで空の青を作ろうとしたけど無理だった
わたしは、絵が苦手で
そういえば、学校の授業で水彩画を描いてた以来、絵の具にさわってない気がするな
今日の空は、その憧れの青をしている
先日母と話していて、頭が良ければいろいろ出来るのに、損してばっかり、と冗談まじりで言っていた
わたしは、そうだねーといいながら
母が、そういう母で良かった、と少し思った
うちの実家周りは、今、新幹線を通すために絶賛工事中で
帰省するたびに、大きな建物ができて、道が変わっている
住んでいた人たちは、バラバラになった
立ち退きした方もいれば、うちのように、ぎりぎりかからないからそのまま残っている人もいる
両親には、景色がどんなふうに変わるのか、全く想像も出来なかっただろう
そこかしこで、反対運動もあったと聞いている
母も、何回か参加したそうだ
でも、あきらめた
多分、そうやって生きてきたんだな、と思う
あきらめるって、損することなんだろうか
父と母は、工事の音がうるさいわ、とも最近は言わなくなり、日々のあれこれにぼやきながらも穏やかに暮らしている
あきらめることは、受け入れることでもあり
それは、納得のいかないことや、大事なものを奪われることや、傷つけられることや、騙されてる気がすることなんかを、見ないふりして逃げることになるのかもしれない
でも
何気ない今日を積み重ねている両親をみるにつけ、今、そんな風に両親が生きていて、ほんとうに良かったと思う
安心するのだ
いろんなことに気づく頭のよさと、見過ごせない優しさをもつ人は、きっと、見て見ぬふりはできない
それは、強さだ
でも、両親の、あきらめて受け入れる在り方も、強さだと思えてならない
わたしにとって、たった一人ずつの父と母
これからも、どんどんあきらめて、損して負けて、それでも、いいたいことを言い合って、長生きして欲しいと思っている
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