2019年06月22日
感性ってなんだろう、と考えていた
自分も普通に使うけど、最近「感性がいいですね」と、褒めて頂くことが多く
自分の何を褒めて頂いてるのかな、と思ったのだ
今、八木重吉の詩集を読んでいる
詩集は、時間がかかる
ごくごく短い言葉の中に、意味を探しながら読むからなんだけど
ふと、これは、八木さんの感性にチャンネルを合わせる作業だな、と思った
チャンネルが合えば、八木さんが世界をどんな風にみていたか感じることが出来る
詩の一節から、美しさを読み取ることが出来る
そうか
感性って、美しさを知るツールなんだ
そして、本を読むって、感性を手に入れる作業なんだ
八木チャンネルは、私を新たな美しさへと導く
感性は、気づくこと
見えなかっただけでずっとそこにあった世界
気がつけば、流れ込んでくる
「はらへたまってゆく かなしみ」
かなしみは しずかに たまってくる
しみじみと そして なみなみと
たまりたまってくる わたしの かなしみは
ひそかに だがつよく 透き通ってゆく
こうして わたしは 痴人のごとく
さいげんもなく かなしみを たべている
いずくへとても ゆくところもないゆえ
のこりなく かなしみは はらへたまってゆく
かなしみ
それは、悲観ではなく
しみじみとからだに沈んでいて
だからこそ人は
幸せであること
笑いあえること
出会うこと
愛すること
慈しむこと
それが出来るのかもしれないな
透き通ったかなしみ、は
泣けるほど幸せ、に近い気がする
美しい色だ