2019年05月17日
バイト先の5階のビルから、夕空を眺めている
まだ始めたばかりだから、やれることは少ない
家主がお客さんとお話してる傍ら
私は、窓からのぞく右側の空に、長い光の道を作って沈もうとしている夕日を、何となく見ている
雑然とした、高さも形も素材感も歴史も違う建物に陽があたる
遊んでるみたいに、あたり具合が違う
私は何を見てるんだろう
私が見ているこの景色に、何が起こってるんだろうな
建物には、時間が刻まれている
私自身は、過去、現在、未来と、揺らぐけれど、建物の時間には、揺らぎが無い
だから、ずっとそこにいたように感じていたのに
いざ、撤去されたりすると、ここって何があった?と曖昧になる
きっと、その場所に刻まれた時間が、そこだけそっくり無くなるのだ
近所の商業施設が閉まり、沢山のお店は、瓦礫と、砂、土になっていた
建物が、刻んでいた時間ごと消えた
広い広いあと地に、時間という縦軸はまだ無い
この窓から、ビルや、アーケードの天井を眺めていると、チクタクチクタク、という、時計の音が聞こえてくるようだ
チクタクチクタク
チクタクチクタク
いい風だ