ちょっと待って、花束をあげるから
そう言って、四歳の甥っ子が走ってきた
ねこじゃらしらよ
まだ若干舌足らずな甥っ子は、緑一色でつみたての、草の香りのすごい花束を私に渡して、そそくさと、野球をしに広場へ戻っていった
誰かが、五歳くらいの男の子は最強だ、と言ってたけど、ほんとだなあと思う
こんなプレゼントをあげられる人に、私はなりたい
自分のあげられるものの中で、あげたいものを、あげたい時に、あげたい人にあげる
それは思いつきで、すごく瞬間的だ
気持ちがこもっているかどうかは、あまり関係無くて
あげたいからあげた
それで終わり
ありがとう!
私はそのねこじゃらしを、田んぼにそっと戻した