2018年02月10日


天使の梯子は、天国への階段だという

雲の切れ間から、光の筋が街にそそぐ

作家の石牟礼道子さんが亡くなった、というニュースをみたのは、今朝早くだった

私は、一昨年9月、石牟礼道子さんの苦海浄土という作品に、本当の意味で出会った

TVの特集番組だったのだが、最初のワンフレーズを聞いた時、その言葉の底知れぬ美しさに感動して涙がでていたのだ

それから、苦海浄土を上演するために、語りの企画をし、本を編集して、メンバーを集め、そのメンバーに助けられながら、演出までやった

新しい挑戦をさせていただいた

石牟礼さんは、天に帰られたのかな

私は、これで石牟礼さんの一部と生きていくことが出来る、と思った

不思議だ

日本中、世界中に、花が芽を出すのがわかる

石牟礼さんの作品を読み、人柄、人生に触れ、ご本人と深く関わった方はもちろん、私のように本を通じて心を震わせた一読者まで、沢山の人の心に、花が芽吹いた

石牟礼さんの魂が、受け継がれた

私は、それが見える

沢山の沢山の花がさくのだ

その花と共に、生きていく事が出来る

小さくとも、その花を大事に抱えて、生きていく事が出来る

そう思うと、嬉しいのだ
不謹慎だけど、私はどこか嬉しいのだ

石牟礼さんの後ろには、水俣病で亡くなられた方々や、石牟礼さんが大切になさっていた方々の花々も、累々と咲いていて、その亡くなられた方々の命の胎動のようなものを感じる

その胎動に合わせて、花は育っていく

沢山の人の心に

私は、つい先日手に取ったばかりの石牟礼さんのエッセイ『花びら供養』を眺めながら、そう思った

この本に、祈ろう